日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
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原著
小腸穿孔を繰り返し,下大静脈血栓症を併発したSLE―ループス膀胱炎,腸炎の関与が考えられた1例―
須藤 麻梨子安田 正人関 姿惠永井 弥生石川 治
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2010 年 120 巻 4 号 p. 881-886

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抄録

48歳女性.1992年に全身性エリテマトーデス発症.2005年8月,全身の浮腫と皮膚の多発潰瘍のため紹介され入院した.ステロイドパルス療法にて潰瘍,浮腫ともに改善したが,ステロイド減量中に小腸穿孔を併発した.保存的に加療するも難治であり,再燃を繰り返した.さらに下大静脈血栓症も併発し,治療に難渋した.腹痛の出現以前に,ループス腸炎と合併しやすいといわれる膀胱炎を併発しており,小腸穿孔の原因はループス腸炎と考えた.一般にループス腸炎では,腹痛,悪心,嘔吐,下痢などの軽微な症状が主体であり,ステロイド全身投与に速やかに反応するといわれている.しかしながら,自験例のように重篤な症状をきたす例もあるため注意を要する.

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© 2010 日本皮膚科学会
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