日本皮膚科学会雑誌
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原著
疥癬に対するペルメトリンクリームの有効性について
森下 綾子谷口 裕子滝野 長平大滝 倫子
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ジャーナル 認証あり

2010 年 120 巻 5 号 p. 1027-1032

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抄録

32名の疥癬患者に対し,輸入したペルメトリンクリームを用いて治療した(9名の予防投与を含む).19名の疥癬患者は,ペルメトリンクリーム単独で治療を行い,1週間間隔で2回,頸部より下の全身に塗布,乳幼児では頭頸部を含め全身に塗布したところ,全例で治癒した.高齢者,角化型疥癬,プレドニゾロン内服などの難治が予測される4名の疥癬患者に対し,ペルメトリンクリームをイベルメクチンと併用して用いた.このうち3名はペルメトリンクリーム2回塗布で治癒したが,角化型疥癬の1名は3回塗布にて治癒した.角化型疥癬患者と密な接触機会があるため予防的にペルメトリンクリーム塗布を行った患者9名は,1回塗布し,6カ月以上発症せず予防効果を得た.32例全例で接触皮膚炎などの副作用は認められなかった.血液学的検査では検査を行った5症例については,塗布前後で肝機能障害,腎機能障害などは認められなかった.ペルメトリンクリームは高い殺虫効果を持つばかりでなく,毒性が低いため,妊婦,授乳婦,生後2カ月以上の乳幼児にも使用できる外用薬であり,本邦でも早期に認可されることが望まれる.

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© 2010 日本皮膚科学会
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