日本皮膚科学会雑誌
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原著
MRマイクロスコピーによる皮膚病変の術前診断と病理組織診断の比較検討
小林 憲澤田 美月石崎 純子上野 惠子田中 勝
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2010 年 120 巻 5 号 p. 1033-1042

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抄録
表面マイクロコイルを用いると,体表の限局領域を高分解能MRIで撮影できる.このコイルを用いたMRIのことをMRマイクロスコピーという.今回われわれは,結節性の皮膚病変60例に対し,40 mm口径の表面マイクロコイルを用いたMRマイクロスコピーを行い,病理組織診断をゴールドスタンダードとして臨床診断,超音波診断との比較検討を行った.手術あるいは生検を行った27例中17例で,MRマイクロスコピー診断は病理組織診断と一致し(正診率63%),臨床診断(正診率30%)と比べて有意に診断精度が向上した.MRマイクロスコピー診断は,超音波診断の正診率47%と比較しても高い正診率であったが,統計学的有意差はなかった.またMRマイクロスコピー診断と病理組織診断が一致しなかった症例についても,腫瘍内部性状,深達度,範囲,血流の有無などを評価することができ,術前検査として有用であった.MRIは組織間のコントラスト分解能が高く,3次元可視化にも優れる反面,浅いレベルの撮像は困難であるとされていたが,表面マイクロコイルを用いることで浅いレベルの腫瘍描出を可能にした.
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© 2010 日本皮膚科学会
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