2010 年 120 巻 5 号 p. 1043-1047
3人の男性(71歳男性2人,57歳男性)はいずれも直腸または結腸癌に肝転移を認め,術後種々の抗癌剤投与の後,2008年10月から11月にセツキシマブの投与を開始した.初回投与終了の7日後に2回目を投与したところ,その2日後に全例に顔面と一部体幹に膿疱性紅色小丘疹が出現した.症例1では組織学的に毛包内および毛包周囲における好中球の浸潤がみられた.いずれの症例もステロイド剤と抗生剤の外用にて治療した.症例2は難治であったため最終的にはトレチノインクリームを必要とした.