日本皮膚科学会雑誌
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原著
Community-associated BLNARによる敗血症を伴う蜂窩織炎を来たし,治療に難渋した成人例
鷲尾 健山本 剛中村 敦子堀川 達弥
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ジャーナル 認証あり

2011 年 121 巻 7 号 p. 1415-1419

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抄録

インフルエンザ菌は市中肺炎の3大原因菌の一つである.近年ではBLNARと言われるβラクタマーゼを産生しないがβラクタム薬に耐性を示す菌種の増加が問題となっている.小児科領域においては本菌のうち莢膜産生型のtype bによる感染症は乳幼児の重篤な髄膜炎を来すことが知られており,本邦でも任意接種でのワクチン接種が認可を受け2008年12月より販売開始となっている.一方で皮膚科領域においてはグラム陽性球菌感染症が多くを占め,グラム陰性桿菌による感染症の頻度は稀である.今回我々は市中感染型のBLNARによる敗血症及び蜂窩織炎を呈した1例を経験したのでここに報告する.自験例ではセフォタキシム(CTX)を用いた治療を行ったが,炎症反応が持続したためレボフロキサシン(LVFX)を併用したところ改善がみられた.重症の蜂窩織炎を治療する際には,少なからず自験例のような耐性菌感染の可能性があることを考慮し,治療開始前に血液培養等を適切に行い,原因菌を同定することが治療に有用であると考えられた.

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