2012 年 122 巻 2 号 p. 349-353
男性型脱毛症の遺伝についてはアンドロゲン受容体(AR),ectodysplasin A2 receptor gene,PAX1遺伝子周辺の1塩基多型の関連が報告されている.病態形成には毛器官のアンドロゲン感受性の調節機構として5α-還元酵素,AR,AR共役因子が関与しており,病因メディエーターとしてはTGF-β1,2,dickkopf 1が想定されている.診断にはトリコスコピー所見が有用である.治療には男性はプロペシア内服と5%ミノキシジル外用を,女性は1%ミノキシジル外用を主に用いる.