日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
原著
術後補助療法(DAVFeron,フェロン療法,フェロン維持療法)は悪性黒色腫ステージII・III患者の予後を改善するか:831例の解析
藤澤 康弘大塚 藤男悪性黒色腫全国追跡調査グループ
著者情報
ジャーナル 認証あり

2012 年 122 巻 9 号 p. 2305-2311

詳細
抄録

本邦では悪性黒色腫ステージII,III患者に対する術後補助療法としてDAVFeron(DTIC,ACNU,VCR,インターフェロンβ)療法が最も広く用いられている.そのほかにインターフェロンβを連日投与するフェロン療法や2から4週に1回を投与するフェロン維持療法があるが,そのエビデンスは確立していない.今回,日本皮膚悪性腫瘍学会の皮膚悪性腫瘍予後統計調査委員会が行っている全国追跡調査のデータを用いて,これら術後補助療法の効果をCoxの比例ハザードモデルを用いた統計学的解析を行った.UICC(2002)ステージII,IIIの合計831例とし,ステージ別に年齢,性別,病型,T分類,潰瘍の有無,N分類,DAVFeron療法,フェロン療法,フェロン維持療法の9因子(ステージIIはN分類を除く8因子)を独立変数とし,生存期間を従属変数として解析を行った.その結果,フェロン維持療法はいずれのステージでも有意に予後を改善したが,DAVFeron療法とフェロン療法は効果がみられなかった.本解析は前向きコーホート研究でありエビデンスレベルは高くないが,今回の結果はこれまで行われてきた術後補助療法について再検討する必要性を示している.

著者関連情報
© 2012 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top