2013 年 123 巻 9 号 p. 1757-1763
遺伝性対側性色素異常症(DSH)は日本人によって初めて報告され,原因遺伝子を明らかにされた常染色体優性遺伝性の色素異常症である.脱色素斑,色素班,正常色が入り混じった特徴的な皮疹を呈する.明らかな合併症はなく,生命予後はよい.原因遺伝子がADAR1(RNA編集酵素)であることは明らかにされたが,その発症メカニズムは依然として不明であった.最近,ADAR1が1型インターフェロンシグナルの調節因子であることが明らかとなり,病態解明につながる可能性が出てきた.