日本皮膚科学会雑誌
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原著
抗TIF1抗体と抗SRP抗体が共に陽性となった皮膚筋炎の1例
簗場 瑞貴藤沼 千尋伊原 千夏鈴木 貴子岩澤 うつぎ濱口 儒人
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2014 年 124 巻 5 号 p. 927-931

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抄録

70歳,男性.両眼瞼が淡紅色浮腫状で,前額,内眼角,両頬,頭頸部に紫紅色斑,爪囲紅斑と爪郭部の毛細血管拡張がみられた.後頸部の生検像で表皮基底層の液状変性,真皮上層の血管周囲にリンパ球浸潤があった.CK, LDHがわずかに上昇し大腿,項部の軽度筋力低下があったが,筋電図と大腿部MRIでは筋炎所見を認めなかった.全身精査で間質性肺炎,悪性腫瘍の合併はなかった.プレドニゾロン内服にて皮疹とCK値上昇は速やかに改善した.後日,免疫沈降法で抗TIF1抗体と抗SRP抗体が共に陽性であることが判明した.

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© 2014 日本皮膚科学会
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