2016 年 126 巻 4 号 p. 427-432
メラノーマは比較的早期に腫瘍細胞がリンパ節や遠隔臓器に播種する可能性が高い腫瘍であり,検診による早期発見が死亡数の減少にはつながっていない.原発腫瘍の切除は多くの患者を救命する一方,負の側面として播種したメラノーマ細胞の休眠状態を解除する可能性がある.センチネルリンパ節生検の成績に基づくリンパ節廓清は現時点で予後の改善に寄与するという十分な証拠は得られていない.将来的には,手術に加えてシグナル阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬などの全身的治療を如何に有効に併用するかが課題となろう.