日本皮膚科学会雑誌
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原著
抗癌剤によるリコール現象を認めた6例の検討
結城 明彦鹿児山 浩高塚 純子竹之内 辰也
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ジャーナル 認証あり

2016 年 126 巻 8 号 p. 1453-1457

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抄録

アントラサイクリン系やタキサン系などの抗癌剤による血管外漏出の既往を有する患者に対して,他部位からの再投与に伴って漏出部位に炎症が再燃することがあり,リコール現象と呼ばれる.血管外漏出の明らかな既往がないにも関わらず,リコール現象を来した6例を経験した.その内の1例は潰瘍を形成し,上皮化までに長期間を要した.リコール現象の正確な発症機序は不明であるが,薬剤の微小漏出による潜在的な組織傷害が成立していたものと考えた.

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© 2016 日本皮膚科学会
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