日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
新・皮膚科セミナリウム 汗関連疾患診断治療のコツ
1.減汗性コリン性蕁麻疹の診断治療のコツ
戸倉 新樹
著者情報
ジャーナル 認証あり

2016 年 126 巻 9 号 p. 1687-1692

詳細
抄録

コリン性蕁麻疹は,アセチルコリン(Ach)によって誘導されるためにこの疾患名がついている.恐らく我国に多い疾患である.コリン性蕁麻疹性には減汗(無汗,低汗)を伴うことがあり,減汗性コリン性蕁麻疹と呼んでいる.診断のポイントは,発汗を促す刺激による点状膨疹と痛みの出現である.そのメカニズムに関して,Achの直接作用によって肥満細胞が脱顆粒し膨疹を生じる機序と,Achによって発汗が促され,汗管閉塞などにより汗が真皮に漏れ出し,汗アレルギーによって膨疹が形成される間接機序とが考えられる.前者の代表が,減汗性コリン性蕁麻疹であり,エクリン汗腺上皮細胞のAch受容体発現が低下しているために減汗となり,かつ行き場を失ったAchが周囲の肥満細胞に働き,脱顆粒を誘導するものと考えられる.減汗性コリン性蕁麻疹に最も有効な治療はステロイドパルス療法である.

著者関連情報
© 2016 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top