日本皮膚科学会雑誌
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総説
乾癬に対する次世代の生物学的製剤:イキセキズマブ―イキセキズマブの薬理学的特性および有効性・安全性―
大槻 マミ太郎佐伯 秀久板倉 仁枝中川 秀己
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2017 年 127 巻 10 号 p. 2325-2338

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抄録

イキセキズマブは,乾癬の病態に重要な役割を担うと考えられているIL-17Aを標的とする.国際共同での無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験では,イキセキズマブの12週間投与によるPASI 75達成率は77.5%~89.7%,PASI 90達成率は59.7%~70.9%,PASI 100達成率は30.8%~40.5%であった.また,国内の単群非盲検試験では,それぞれ98.7%,83.3%,32.1%であった.さらに,乾癬性関節炎(又は関節症性乾癬),乾癬性紅皮症,および膿疱性乾癬に対してもイキセキズマブの有効性が示されている.安全性は既存の生物学的製剤と大きく異なるものでなく,安全に使用可能であると考えられる.本稿では,イキセキズマブの薬理学的特性および有効性・安全性について概説する.

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