2017 年 127 巻 3 号 p. 463-468
薬剤性過敏症症候群(DIHS)の経過中に出現する臓器病変の1つである肺炎の本邦報告例を検証した.肺炎は発症時期から2週以内に出現する早期発症肺炎群と5週~3カ月後に好発する後期発症肺炎群の2群に分類された.前者では起因微生物は検出されず,ステロイド薬治療で軽快した.一方,後者は高齢者でDIHSへのステロイド治療の漸減中に発症し,ニューモシスチス肺炎(PCP)が大部分を占め,予後不良であった.今後,DIHSの病態を考慮してPCPの治療や発症抑制について検討する必要がある.