2017 年 127 巻 8 号 p. 1771-1774
脂質抗原法(RPR)が陰性でTP抗原法(TPLA)が陽性であった梅毒1期疹を2例経験し,感染早期の梅毒におけるTP抗原法の意義について文献的に検討した.症例1,2とも陰部の潰瘍を主訴に受診し,初診時採血ではRPR陰性,TPLA陽性であった.ウエスタンブロット法による解析ではいずれの症例でもTP-IgMとTP-IgG抗体が検出された.病初期で治療したためRPRが陽性にならなかったと考えた.ラテックス凝集法を用いたTPLA自動化法の場合,window periodが短縮しRPRよりも早期に陽転化すると考えられる.