2018 年 128 巻 6 号 p. 1309-1317
33歳男性.約10年前より頭部,下顎部,腋窩,臀部に排膿を繰り返し,化膿性汗腺炎と診断された.1年前より発熱,盗汗,10 kgの体重減少が出現し,炎症反応が高値で,多発リンパ節の腫脹があり,悪性リンパ腫などの鑑別のため右鼠径リンパ節の生検を行なった.リンパ節には形質細胞が多数浸潤しており,他の臨床所見や検査所見より多発性Castleman病と診断した.抗IL-6受容体抗体であるtocilizumabの投与を開始したところ速やかに臨床所見は改善した.化膿性汗腺炎とCastleman病の関連が示唆された一例であり,考察を踏まえて報告する.