2018 年 128 巻 7 号 p. 1509-1514
出生時より存在する赤色調のあざを主訴に2カ月時に初診した女児.下腹部右側に,やや陥凹する蒼白病変と暗赤色紅斑が不規則に混在する熱感のない局面を認めた.病理組織は,glucose transporter 1(GLUT 1)陰性の血管内皮細胞よりなる血管腫であった.1歳11カ月まで経過観察したところ,淡い紅斑はやや改善したが皮膚萎縮は不変であった.出生後に病変の増大がなかったことから,出生前に大部分が退縮し脂肪萎縮を呈したpartially involuting congenital hemangiomaが考えられた.