2018 年 128 巻 8 号 p. 1657-1662
両下腿伸側の結節,びらん,瘢痕を呈した前脛骨型栄養障害型表皮水疱症の2例について報告する.自験例は2例ともにいわゆる前脛骨型の臨床であるが,遺伝子検査で自験例1は日本人新規変異でイントロン87にヘテロ接合性c.6900+1G>A変異,自験例2はエクソン116にホモ接合性c.8569G>T(E2857X)変異を認めた.栄養障害型表皮水疱症の診断において,遺伝子型は必ずしも単一臨床型を呈しないと考えた.前脛骨型や痒疹型という臨床型による診断名は主観的ではあるものの,診断に結び付く手がかりとなった.