日本皮膚科学会雑誌
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新・皮膚科セミナリウム フットケア
3.ロングパルスNd:YAGレーザーを使った疣贅治療の検討
須賀 康木村 有太子
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2019 年 129 巻 9 号 p. 1877-1885

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抄録

疣贅はフットケア外来でも患者から相談を受ける機会が多い疾患で,ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染による皮膚の良性腫瘍である.足底や足趾に生じた疣贅は,角層が厚くなって皮膚内部に食い込むように増殖することが多いため,鶏眼や胼胝のように擦れたり,圧迫されたりすると強い疼痛を訴える患者も多い.通常は液体窒素による凍結療法が治療の第一選択となるが,足底や足趾の疣贅は治療抵抗性のことが多く,しばしば皮膚科医の外来診療上の悩みの種となっている.このような難治例に試す価値がある治療法の1つとして,今回はミリ秒単位でレーザー発振されるlong pulsed Nd:YAGレーザーを使った治療を取りあげた.本レーザーによる治療は,これまでの報告では有効率46~100%の結果を得ており[Nguyen J,2016],治療成績は使用するレーザー器械とその設定にも左右されるが,とくに標準治療が無効な難治性疣贅を有する患者のフットケアには有用な選択肢の一つとなり得る.

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© 2019 日本皮膚科学会
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