2020 年 130 巻 11 号 p. 2347-2354
皮膚科領域の抗酸菌症にはハンセン病,皮膚結核,非結核性抗酸菌症(NTM症)がある.NTM症は原因菌が同定されればそれらによる疾患名で記載される.問診や臨床症状,病理所見などから抗酸菌症を鑑別に入れる.培養では37℃と25℃(室温)の2通りの温度設定にする.治療では耐性菌を出現させないため抗菌薬を2~4剤用い,単剤投与は行わない.ハンセン病やブルーリ潰瘍は途上国で患者が多く,顧みられない熱帯病(NTDs)として,国際保健,国際協力のターゲットになっている.