日本皮膚科学会雑誌
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新・皮膚科セミナリウム 薬疹
1.免疫チェックポイント阻害薬による皮膚障害
山口 由衣
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2020 年 130 巻 7 号 p. 1627-1631

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抄録

悪性腫瘍治療薬である免疫チェックポイント阻害薬は,免疫のブレーキを解除し自己の抗腫瘍免疫を増強する作用機序であるため,その適応は腫瘍の種類の制限を受けにくい.そのため,保険適応取得の拡大が続いている.さらに,単剤療法ではなく,2剤の免疫チェックポイント阻害薬,もしくは他の悪性腫瘍治療薬との併用療法による抗腫瘍効果の増強が注目を浴び,臨床の現場で徐々に主流となりつつある.一方,その免疫学的作用機序から,免疫関連副作用(immune-related Adverse Event:irAE)が知られており,多診療科連携のもとに対処していく必要がある.その発症や重症化に関連するリスク因子の同定を目指した研究が全世界で行われており,将来的には有力なバイオマーカーが発見されることが期待されている.irAEとしての皮膚障害は,頻度は高く重症度は低いものが多い一方,時に重症化する.皮膚科医は,これら薬剤を使用するだけではなく,他診療科からのコンサルトを受ける機会も多いため,常にirAEの現状を把握しておく必要がある.本セミナリウムでは,皮膚科医が知っておくべき免疫チェックポイント阻害薬の基礎から,その皮膚障害に関する最近の話題を含めて概説する.

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