2021 年 131 巻 8 号 p. 1841-1850
免疫チェックポイント阻害薬による皮膚障害の重症化因子および皮膚障害の臨床型分類を検討する目的で,免疫チェックポイント阻害薬の使用経過で皮膚障害を発症した163人に対してアンケート形式の調査を行った.本研究では,有意な重症化因子は同定されなかったが,対象疾患と臨床型の検討で悪性黒色腫と白斑,肺癌と扁平苔癬様皮疹に関連がみられ,対象疾患により特徴的な臨床型を呈する可能性が考えられた.皮膚障害の重症群は全体の約10%であったがTENが2症例あり,免疫チェックポイント阻害薬投与中の重症薬疹に注意すべきと考えられた.