日本皮膚科学会雑誌
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新・皮膚科セミナリウム 皮膚癌の発生メカニズムはどこまで明らかになったか!
3.メルケル細胞癌の発症メカニズムはどこまで明らかになったか
永瀬 浩太郎
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2021 年 131 巻 9 号 p. 2017-2022

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抄録

メルケル細胞癌の腫瘍細胞からメルケル細胞ポリオーマウイルス(Merkel cell polyomavirus:MCPyV)が同定されて,早いもので10年以上が経過した.このウイルスの発見を機に,病因・病態の解析や腫瘍免疫など様々な分野での研究がすすんだことは間違いない.MCPyVは広く蔓延したウイルスであり,大部分のメルケル細胞癌がMCPyVの関与するウイルス発癌である一方で,紫外線発癌とされるMCPyV陰性例も一定数存在する.稀な疾患ながら,メルケル細胞癌はその病態を含め非常に多様性に富んだ腫瘍である.

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