日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
新・皮膚科セミナリウム 皮膚真菌症up to date
1.皮膚真菌症の疫学・菌学
竹中 基
著者情報
ジャーナル 認証あり

2022 年 132 巻 9 号 p. 2115-2124

詳細
抄録

表在性真菌症では,部位や年齢によって主たる原因真菌が異なる.頭部・顔面・体部では,20歳以上ではTrichophyton(T.)rubrumだが,0歳~9歳ではMycrosporum(M.)canis,10歳~19歳では,T. tonsuransである.また,M. canisは,頭部・顔・体部白癬では10歳以上でも1~2割程度検出される.それ以外の白癬では,年齢にかかわらずT. rubrumが最も多い.ただ,その傾向は,年代によって変化してきている.深在性真菌症では,免疫抑制状態に基づくとされる黒色菌糸症や皮膚クリプトコッカス症は増加傾向であり,免疫抑制状態に左右されないスポロトリコーシスや黒色分芽菌症は減少傾向である.近年菌名の変更が行われており,T. mentagrophytesT. interdigitaleSporothrix(S.)schenkiiS. globosaとなっている.

著者関連情報
© 2022 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top