日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
新・皮膚科セミナリウム メラノーマの新ガイドライン 刻々と変化する標準治療と近未来
2.メラノーマの新しい分類~がんゲノム診断と個別化治療
西原 広史
著者情報
ジャーナル 認証あり

2023 年 133 巻 1 号 p. 29-35

詳細
抄録

がん細胞の生存に重要な特定の遺伝子異常を標的とした治療薬を用いて個別化治療を行うことを,「がんゲノム医療」と呼ぶ.悪性黒色腫においては,BRAF,RASなどの治療標的となる遺伝子異常が見つかる確率が高く,組織分類も遺伝子異常と関連した分類となり,遺伝子パネル検査を用いた個別化治療が行われている.しかし,検査受検率は全てのがん患者の1~2%に留まり,治療到達率も10~15%と報告されており,検査の普及と同時に,適応外使用に関する治療体制の整備が必要不可欠である.

著者関連情報
© 2023 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top