2023 年 133 巻 12 号 p. 2837-2848
白斑は環境や遺伝的要因に加え,メラノサイト傷害性T細胞が関与する自己免疫疾患である.外用治療薬として,ステロイドやタクロリムスなどが用いられてきたが,近年,サイトカインシグナルを伝達制御するチロシンキナーゼファミリーであるJanus kinase(JAK)を分子標的とする新たな外用薬が登場した.米国ではルキソリチニブが既に用いられており,本邦での白斑への適応も期待できる.本稿では,作用メカニズム,効果,安全性の視点から,白斑治療になぜJAK阻害外用薬なのかを概説する.