2025 年 135 巻 2 号 p. 275-286
超音波検査は侵襲が少なく皮下病変の生検前,術前評価に非常に有用である.一般的に粉瘤,脂肪腫,石灰化上皮腫などはBモード法,ドプラ法のみでも診断可能なことが多いが,非典型的なエコー像を示す病変も少なくない.そこで我々は病理組織学的に診断し得た粉瘤55例,脂肪腫37例,石灰化上皮腫15例について超音波shear wave elastographyを用いて腫瘍の硬さの平均値を後方視的に評価した結果,石灰化上皮腫>粉瘤>脂肪腫の順に有意に硬く,また粉瘤は大きさと硬さに負の相関を認めることがわかった.