日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
皮膚科領域に於けるブドウ球菌の研究
中山 重男
著者情報
ジャーナル 認証あり

1959 年 69 巻 6 号 p. 611-

詳細
抄録

皮膚科領域に於けるブドウ球菌(以下ブ菌とす)に就ては既に土肥,浅野,浅井等による伝染性膿痂疹の原因菌としての調査或は村本のEpstein反応による分類等の研究があるが,最近は石渡・黒沢,今井,の感染アレルギーと関連した報告等がある.現在ペニシリンを初め多くの抗生物質が発見,使用されると共に,ペニシリン耐性ブ菌が増加し,又それに基くと推定される膿痂疹が多くなつたと伊藤・吉峯等は報告している.著者は皮膚疾患より分離したブ菌に就てその生物学的性状を検討すると共に,諸種抗生物質感受性試験を行い,ペニシリンその他の抗生物質に対する耐性菌出現の実情を把握することに努めた.一方ファージ型別によつて皮膚疾患起炎菌の型別分類も行つた.その結果ブ菌が皮膚科領域に於て病原菌として占める位置を改めて確認すると共に,本菌による皮膚疾患の治療に寄与する所見を得た.茲にそれらの成績を一括報告する.

著者関連情報
© 1959 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top