1960 年 70 巻 12 号 p. 1244-
單純性血管腫は日常多く見られる疾患であり,其の組織学的所見に就ても,可成文献があるが其の神経組織学的研究に就ては私の寡聞未だ之れを見ない.私は教室の佐々田が色素性母斑に就て行つた方法に倣つて單純性血管腫の局所の神経染色を行つた結果,該部は健康部に比較して,神経線維が量的に少ないと考えられる像並びに神経其のものにも変化がある事を知つた.依つて本事実を確認する目的を以つてoptical lever esthesio-algesio meterを使用して病巣部の知覚を測定した所,組織学的変化を裏付けするが如き結果を得たので此処に報告する次第である.