日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
更年期性皮膚疾患の研究 更年期性湿疹様症例の統計的並びに臨床的観察,その女性ホルモン治療並びに皮膚素因の検討
阿部 羊一郎
著者情報
ジャーナル 認証あり

1961 年 71 巻 9 号 p. 959-

詳細
抄録

女子が中年から老年へと移行する,其の間の所謂更年期,それは大体40才から55才の間であり,此の時期,そこには閉経という現象と共に,全身的に種々の症状の現われることが多く,これ等を所謂更年期症状と呼ぶ,蓋し交感神経過敏状態を主とする自律神経障碍に困ると解せられるのもので,これに顔面の灼熱感,発赤,肩凝り,眩暈,頭重,頭痛,四肢冷感,動悸等,更に食思不振,胃部膨満感,便秘,時に下痢等の胃腸症状,更に精神不安定,焦燥感,視力減退,記憶力減少等の精神症状が挙げられていることは周知のとおりであるが,皮膚疾患にも更年期に於て発病,或は増悪し,原因的に或は病理上女子の更年期に於ける全身状況に関連を有すると考えられるものがある.

著者関連情報
© 1961 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top