1962 年 72 巻 1 号 p. 1-
副腎皮質ホルモンは,その全身的投与が各種皮膚疾患に所謂morbidistaticな効果を有する以外,皮膚科に於けるその使用の特色として局所療法にも応用されている.即ちハイドロコーチゾン,プレドニソロン等を膏薬基剤に加えたものの塗擦,貼付,又これ等の懸濁液の皮内注射が湿疹類,その他の皮膚病変に効果あることが知られるに至り,今日では局所治療剤としても盛んに使用されるようになつた.著者は・に,副腎皮質ホルモンの膏薬形式を以てする局所投与が各種の皮膚機能に及ぼす影響を,一定の方法でハイドロコーチゾン加吸水軟膏を貼付した皮膚部位た行つた各種機能的皮膚反応の成績から検索することに依り,本ホルモンの皮膚病変に対する局所治療作用の機序を窺はんとした次第である.