日本皮膚科学会雑誌
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Oxyphenbutazoneの皮膚科領域に於ける臨床的評価
石原 勝
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1962 年 72 巻 11 号 p. 827-

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抄録

1955年Burns等は抗リウマチ剤Phenylbutazone(Butazolidin)を服用中の患者の尿から2種類の代謝産生物を分離した.その1つはγ-Hydroxyphenylbutazoneであり,他の1つは後にJ.R. Geigy社研究所のPfister,Hafilgerが合成したPyrazolidine誘導体のOxyphenbutazone(Tanderil)である(図1).このOxyphenbutazoneは薬理実験の結果母体のButazolidinよりも強力な消炎解熱作用を有することが明らかにされた.即ちWilhelmiの報告によるとラットの肉芽腫嚢試験(Selye法)では,Oxyphenbutazone100mg/kg/dayの連続経口投与はPrednisoneの5mg/kg/day連続経口投与の場合よりすぐれた消炎作用を示し,ラットのフォルマリン浮腫試験,フォルマリン腹膜炎試験でも強力な消炎作用を,ラットの酵母熟試験ではAminopyrinに匹敵する解熱作用が認められるという.本剤の臨床応用は外科,整形外科,眼科,耳鼻咽喉科,産婦人科,泌尿器科,放射線科,内科の各領域より報告されている.これらの報告を総括して見ると,本剤は手術や外傷後にみられる炎症,浮腫,疼痛に著効を示す他,リウマチ,細菌やウイルス感染症などをはじめとする種々の原因による炎症性疾患の治療に有効であるとされる.しかしながら皮膚科領域に於ける応用に就いてはこれ迄殆ど報告をみないので,我々は本剤の基礎実験成績及び他科領域に於ける臨床実験の結果を参照しつゝ,この薬剤の皮膚科領域への応用を試み,その適応と考えられる皮膚疾患を選んで効果を検討してみた.さらに一部の疾患に於て本剤により副腎皮質ホルモンの有効維持量を減量せしめうるか,或はその中止後の再発防止に対し有効に作用するかに就いても検討して一応の結論を得たのでこゝに報告する.

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© 1962 日本皮膚科学会
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