日本皮膚科学会雑誌
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皮膚上皮細胞における核酸の生成および代謝について
服山 公江
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1963 年 73 巻 4 号 p. 287-

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抄録

皮膚上皮の細胞は核分裂によつてその数を増す一方,分化して皮膚上皮細胞としての機能を営む.この細胞の分裂および分化に関連して細胞内に起る種々の生化学的変化についての実験的観察は少ない.何故ならば,皮膚上皮という形態学的に複雑なこの組織には,一般的生化学の研究方法をあてはめることが難かしいからである.最近,thymidineがDNA(deoxyribonucleic acid)の生成にあたつて,特異的にDNAの分子に転入し,またcytidineとRNA(ribonucleic acid)およびDNAの代謝との関係が明らかになつたので,低エネルギーのβ線を出すアイソトープおよび解像力の高いフィルムの使用が可能になつたことゝ相俟つて,オートラジオグラムの方法で個々の細胞内に起りつゝある生化学的変化を,組織学と結びつけながら研究することが出来るようになつた.この論文は,皮膚上皮細胞における核酸の生成および代謝についての実験の結果を報告し,その細胞分裂或は細胞分化との関係,すなわち1)DNAの生成と核分裂,2)上皮細胞の動き,3)RNAの生成と細胞分化,4)核RNAと原形質RNAの相互関係などの解明を企図した.

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© 1963 日本皮膚科学会
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