日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
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毛複合体の病理学
Harmann Pinkus, M.D.
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1967 年 77 巻 9 号 p. 689-

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抄録

今回は毛複合体(pilary complex)なる言葉を非常に広義に解し,毛嚢と,個体発生学的に毛嚢と関係を有する構造物すべてに対して使用することにした.即ち毛複合体とは,毛髪とそれを取り巻く上皮性,中胚葉性の外鞘,脂腺,アポクリン腺,立毛筋,及び毛盤(Haars-cheibe)を含めての支配神経等を包括する(第1図).これらとその各部分を一括すると第1表の如くになる.毛複合体とは,われわれ皮膚科医か全力を傾倒している,かの驚嘆すべき器官即ち皮膚のごく一部分にすぎないが,それ自身非常に小さな有機体である.毛複合体の多くの部分は,身体の統御的影響の下に共働しているが,1個体の皮膚に存在する無数の毛複合体がそれぞれ自己自身の法則下にある.即ち各々の毛複合体のどの2

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© 1967 日本皮膚科学会
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