日本皮膚科学会雑誌
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瘙性紅色丘疹を前駆し網目状色素斑を残す一疾患について
長島 正治大城 晶子清水 夏江
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1971 年 81 巻 2 号 p. 78-

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抄録

昭和42年6月以来,われわれは慶大皮膚科外来において,瘙強き紅色丘疹を発作性に生じ,あとに粗大網目状色素斑を残す診断不明の皮膚疾患数例を経験した.すでにその1例は,診断例(瘙性紅色丘疹を前駆する一種の色素沈着症)として東京地方会に供覧したが,その後もかかる症例に接する機会を得て,昭和44年末までにその8例を集計することができた.今回これを機会に,本症の詳細を一括記載し,各種類似疾患との鑑別診断,病因,治療などに言及し,あわせて本症が痒疹群に属するひとつのclinical entityであり,従来注目されることのなかつた疾患であることを述べたいと考える.

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© 1971 日本皮膚科学会
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