日本皮膚科学会雑誌
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アミロイド細線維の超微構造より見たアミロイド症―アミロイド苔癬を材料として―
大橋 勝
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1972 年 82 巻 10 号 p. 1009-

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抄録

アミロイド苔癬2例を材料として,アミロイド細線維の超微構造を観察した.この細線維は(1)径70~100A,(2)入りみだれた走行を示し,フェルト様構造をとる.(3)線維間に小胞がみられ,(4)microfilamentより高電子密度で,(5)分枝しない所見を得た.さらに細線維はsubunit構造を有し,超薄切片上で(1)2~3本の細原線維より成る.(2)1本の細原線維は小さな矩形様構造のくりかえしにより,直線状の線維を形成する.以上の所見は他のアミロイド症の細線維の性状と一致する.この細線維は特異的で,他にみられないので,アミロイド症の同定の根拠として,もっとも信頼度が高い.この細線維が結合織内で,間葉系細胞により産生されることはアミロイド症は沈着症や変性と考えるよりも,結合織線維成分の異常疾患,即ち広義の膠原病とする方がより妥当であろう.

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© 1972 日本皮膚科学会
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