日本皮膚科学会雑誌
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新生児皮下脂肪壊死症の1例
北村 弥吉岡 順子坂本 邦樹吉岡 章
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1974 年 84 巻 11 号 p. 505-

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抄録

健康な母親より,難産で仮死状態で生れた女児に,生後3日目から背部に脂肪織硬結が多発し,組織像も定型的な新生児皮下脂肪壊死であった症例を報告した.ただし,液状物質をいれた嚢腫様構造をとることが本症例の特徴であり,これを分析の資料とし,その成績は,これまでの患部脂肪織の脂肪酸構成とは逆に,オレイン酸が著しく増加していることを知った.とくに治療を行うことなく,約3ヵ月にて完治した.本症の本邦報告例を62例まで集めることが出来た.1924年の中川の最初の記載より10年間は4例,次の20年間に1例の報告にすぎなかったが,1954年から1963年までの10年間には24例,それ以後今日までの10年間に33例と報告例は急増している.このうち記載の明らかな48例について文献的考察を試みた.

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© 1974 日本皮膚科学会
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