佐藤らが試作した紫外部単色光発生装置を用い,本邦健常人男女74例の上背部皮膚につき単色光紫外線による最小紅斑量を測定した.すなわち,250nmから270nmまでは5nmごと,280から310nmまでは10nmごとに単色光紫外線を照射して,照射後8および24時間目に各波長別にMEDを求めた.その結果をいわゆる紅斑効果曲線で示すと,255nm附近をピークに,310nmに向って連続的に下降する曲線となり,その中間280nmから290nmではゆるやかなプラトウを呈し,Everettらが1965年に報告した成績とほぼ一致した.また,男女別,年令別,夏冬別にえた測定値を,それぞれ統計的に処理して比較検討したところ,有意差は認められなかった.波長320nmに対する健常人の紅斑反応は,sunburn領域の他の波長と異なり,きわめてバラツキが大きく,本邦健常人背部皮膚では,31例中11例に紅斑をみたにすぎなかった.