掌蹠膿疱症の発症に関する免疫学的機作を検索する目的で,掌蹠膿疱症患者血清を用い蛍光抗体法間接法で観察した結果,39例中1例を除き患者血清に抗人上皮細胞質抗体の存在を証明した.この抗体価は掌蹠皮膚を基質とした場合,他部皮膚を基質とした場合よりも高値を示し,免疫グロプリンクラスは lgG と推定される.対照とした他の皮膚疾患16例中14例にも抗細胞質抗体を認めたが,その抗体価は低く明らかな有意の差を認めた.以上のことから抗細胞質抗体は,本症に特異的とするには尚疑問もあるが,少なくとも本症の臨床症状の発現に重要な役割をもつのであろうことは否定できない.