日本皮膚科学会雑誌
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ヒト角質層への界面活性剤蓄積性障害 -Circulation法による研究-
芋川 玄爾三島 豊
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1976 年 86 巻 8 号 p. 473-

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抄録

いわゆる家婦の hand dermatitis と洗剤の相関を評価すべく,手掌に対する日常の作用条件に近い皮膚累積刺激試験として, 200ml/min.,10分間,前腕屈側部位を洗浄する circulation 法を新たに開発し,角質細胞の著明な変性をみる本症の keratodermia 型に一致する皮膚の乾燥落屑性変化を炎症性変化なく惹起できることを見い出した. 従来の closed patch test で陰性であっても,本法で陽性,またはその逆の例もみられた.この原因としては,界面活性剤の脱脂力及び角質層への吸着力が本変化の重要な因子の一つと考えられ,これは patch test によっては評価され難いためであろうと推論された.したがって closed patch test 法は肉眼的に炎症症状の明らかな contact dermatitis の評価には充分であるか,cumulative insult によると考えられている karatodermia 型 hand dermatitis には,本 ciculation 法の成績が patchtest のそれよりも,より参考になるであろうと推論された.

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© 1976 日本皮膚科学会
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