人表皮角層よりケラチン縁組 (KF) を分離精製し,その2~3の性状を検索したので報告する.K Fは -S-S- 結合の解離剤 (2ME) の添加なしにも抽出されるが,その収量は添加した場合に比し日17量であった.形態学的には三次元の卒ットを形成する観がみられた.これら電顕像,SDS 電気泳動像,アミノ酸組成等を 2ME 添加により抽出せる KF と添加せざる場合とに分け比較したが,両者には有意の差は認められなかった.又,人 KF 構成分子鎖は,分子量 75,000, 69,000, 62,000, 55,000,53,000, 49,000 の6本から成るものと思われた.