1979 年 89 巻 9 号 p. 639-
女性の広範囲熱傷患者に38名の volunteer より皮膚の提供をうけ,同種皮膚移植をおこなった.移植後22出目に1男性の donor よりの graft が肉眼的に生着していると思われた.移植部皮膚および患者の正常皮膚を生検し,キナクリン蛍光染色による Y-body の検索をおこなった.移植部皮膚で57, 60% の Y-body が証明されたが,患者自身の皮膚には認められなかった.以上より重症熱傷患者においては移植後約8ヵ月間 allograft が生着し得ることを確認した.