マウスにおける DNFB (2,4-dinitro-1-fluorobenzene)ないし TNCB (2,4,6-trmitro-1-chlorobenzene)の接触過敏症について多数の近交系マウスを用い,更に C3H/He マウスを用い,抗 I-A,B 血清,抗 I-J 血清を用いて遺伝学的に検討した. DNFB に対する接触過敏症は主要組織適合遺伝子複合体(major histocompatibilitycomplex: MHC)に関連した I-A 亜領域によって支配されており,その抑制は I-J 亜領域によっても支配されている成績を得た.しかし TNCB に対する接触過敏症は DNFB 接触過敏症と異なり MHC に関連した免疫応答遺伝子には支配されていなかった.