1980 年 90 巻 5 号 p. 425-
末梢血に小型成熟リンパ球様細胞の増殖がみられ,成人T細胞性白血病と診断された症例の皮膚腫瘍および末梢血を電顕的に観察した.末梢血の小型成熟リンパ球様細胞はいわゆるセザリー細胞より核の切れ込みが軽度で細胞質に集合性高電子密度顆粒を有し,菌状息肉症の初期の皮疹および良性の慢性皮膚疾患の浸潤細胞内にしばしば見られる細胞と類似している.皮膚腫瘍では細胞質にポリゾームの多い核小体の明瞭な大型芽球様細胞の均一な増殖がみられ Lukes-Collins の分類に従えば immunoblastic sarcoma に相当すると考えられた.