日本皮膚科学会雑誌
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胎児皮膚(胎生12週)に於けるリンパ管について -光顕及び電顕的観察-
浅野 翔一園田 優子長 等相模 成一郎
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1983 年 93 巻 1 号 p. 35-

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抄録

胎生12週目のヒト胎児3例に於ける皮膚のリンパ管(LV)を観察し,次の様な結果を得た. 1)この時期の LV は表皮下組織(開葉組織)の中層から深層にかけて限局していること. 2)LV は光顕的には adult skin に於ける LV と略々同様の形態を呈していること. 3)電顕的には endothelial cell(EC)は極めて非薄で, open intercellularjunction が認められるが, basallamina (BL) や lymphatic anchoring filament(AF) はまだ殆んど出現していないこと. 4)一方,血管(BV)は表皮下組織全体に分布しており,しかも総べて毛細血管類似の構造をなしていること. 5)以上,この時期の LV と BV との鑑別は光顕的に,その分布域及び形態的特徴より可能である.

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© 1983 日本皮膚科学会
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