日本皮膚科学会雑誌
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インフルエンザHAワクチン接種が原因と考えられる皮膚潰瘍の1例
沢田 幸正小川 俊一
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1983 年 93 巻 12 号 p. 1297-

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抄録

インフルエンザ HA ワクチン接種後,皮膚潰瘍を形成した9歳男児の1症例を報告した.インフルエンザ HA ワクチン100倍希釈液での皮内反応にて,ワクチン接種部と同様の肉眼的,組織学的所見が得られ,同液での対照者皮内反応では陽性所見が得られなかったこと,血液,免疫学的な検査で血中好酸球. IgE の低位,創の細菌学的な検索にても陰性であり,鶏卵,鶏肉に対する過敏性の既往もなく,皮内反応も陰性であったことかどから,ワクチンによる即時型とは異なる免疫学的機序で発症したことが疑われた.一般にインフルエンザ HA ワクチンの副作用は低頻度で,軽症であるとされているものの,鶏卵,鶏肉に対する過敏性を有しない者でも,今後同様な免疫学的副作用の発症が考えられる.

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© 1983 日本皮膚科学会
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