日本皮膚科学会雑誌
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Porphyria cutanea tardaの1例 -単色光照射による膨疹惹起観察例-
長谷井 和義堀川 達弥市橋 正光
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1983 年 93 巻 7 号 p. 705-

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抄録

36歳,男の porphyria cutanea tarda (PCT)の1例を報告した.日光曝露で紅斑や膨疹など急性皮膚反応は起こらないが,人工光源による400nin単色光2分間照射で(7.0J/黴€3)紅斑と膨疹反応をみた.膨疹惹起波長は 370-430nm であった.膨疹はアルコール中止後, 400nm 単色光20分間照射(70.0J/黴€3)でも惹起されなかった.この膨疹反応消失は尿中 uroporphyrinlevel とは必ずしも平行しなかった.また650nm以上の可視光線前照射で膨疹惹起は抑制され,この効果は約3時間持続した.この PCT における抑制効果は,我々が既に報告した日光聶麻疹の抑制波長と類似のものと考えられる.さらに PCT 症例において日光曝露後の immediate reaction が希であることは,抑制波長のためと考えられた.

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© 1983 日本皮膚科学会
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