日本皮膚科学会雑誌
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類天疱瘡水疱発生機序における好酸球の役割
一木 幹生
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1983 年 93 巻 9 号 p. 943-

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抄録

水庖性類天疱瘡患者無疹部に持続陰性吸引による水疱(Suction 水疱)を作製し,水疱中の Eosinophilchemotactic factor および Arylsulfatase 活性を測定した. Suction 水疱中にも低分子の Eosinophilchemotactic factor が出現した. Arylsulfatase B 活性の上昇は皮疹部水疱では顕著であったが, Suction 水疱中でも健康人 Suction 水疱にくらべ比較的高値を示した.また Suction 水疱の組織像は,真皮血管周囲性に好酸球の浸潤を示した.これらの類天疱瘡無疹部の解析より,本症における水疱の発生には基底膜部の抗原抗体反応,補体の活性化に引き続いて肥満細胞や好酸球の活性化が関与することが示唆された.また Suetion 水疱は,病状の活動性や改善度を知る方法として有用であると考えた.

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© 1983 日本皮膚科学会
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