日本皮膚科学会雑誌
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Eruptive cellular neviの電顕的観察―特にその球形melanosomeについて―
坂本 ふみ子伊藤 雅章山本 綾子佐藤 良夫鷲尾 勝
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1984 年 94 巻 8 号 p. 927-

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抄録

Eruptive cellular neviの1例を電顕的,および電顕Dopa-oxidase反応を用いて観察した.腫瘍細胞には,melanin沈着の不完全なeumelanosomeのほかに,melanizationの過程を通して球形に終止する球形melanosomeを多数認めた.球形melanosomeの内部には,(i)顆粒状~綿くず状物質,(ii)微細糸状ないし木の削り屑様のくも状物質,(iii)一部に内部層板状構造が認められ,melaninの沈着は,限界膜から内腔に向って生じ,中空~充実性のmelanosomeとなる.Dopa反応では,(i),(iii)の上に陽性沈着物を認めた.これらから,球形melanosomeはmelanosomeの内部層状構造が不完全,または欠如するため,不定形の顆粒状物質の上に,melanin沈着が生じ,長楕円形の形態をとることなく,球形のまま,melanizationが進行するため生ずると考えられた.また,臨床的色調と,melanosomeの形態との関連性についても考察した.

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© 1984 日本皮膚科学会
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