抄録
日本の全大学におけるナイロン製布摩擦皮膚症の患者の実態調査を行った.調査用紙の回収は44施設(55%),患者総数158名(男41,女117)で,その158名について地域別発生状況,皮疹の分布状態,ナイロン・タオル,タワシの使用,皮膚生検,性格と体格,皮膚疾患の合併及び経過予後等について検討した.その結果本患者の初診時年齢は21~30歳が多く全患者の46%で,皮疹の好発部位は鎖骨が圧倒的に多く,次いで頚項部,肋骨,脊椎,背・肩甲部,四肢外側の順で骨の突出部に一致してみられ,帯状の色素沈着が特徴であった.ナイロン・タオル,タワシの使用有と記載があったのは137名(97%)で,その期間は6~10年が一番多かった.皮膚生検は色素失調で特定の皮膚疾患の合併はなく,体格,性格は特に関係がなかった.本色素沈着の発生機序は長年に互る物理的刺激の反復に起因したものと本アンケートから推測された.